羽の情報便65   租税罰則(国税関係)の見直し


課税の適正化を図り、税制への信頼を確保する観点から、租税に関する罰則(国税関係)について、以下のように見直しを行いました。





犯罪類型

改正前(主なもの)

改正後(主なもの)

脱税犯
(不正手段により税を免れる行為)

5年以下の懲役若しくは500万円以下(情状により脱税額以下)の罰金又は併科」(直接税・消費税の場合)等

10年以下の懲役若しくは1,000万円以下(情状により脱税額以下)の罰金又は併科」(直接税・消費税の場合)に引き上げる等、法定刑の引上げ(注1
 

秩序犯
(申告書の不提出、検査忌避等の行為)

1年以下の懲役又は20万円以下の罰金」等(直接税・消費税の場合)
*間接税等(消費税を除く)については、基本的に罰金刑のみ

基本的に「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に揃える等、法定刑の引上げ
*間接税等(消費税を除く)については、新たに「
1年以下の懲役刑」を設ける

税務職員の守秘義務違反の罪

2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」(直接税・消費税)

2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に罰金刑を引上げ守秘義務違反に対する統一的な罰則規定を国税通則法に設けるとともに、処罰対象範囲を拡大(注2





  



 







  (注
1
  このほか、間接税等(消費税・航空機燃料税等を除く)の罰金刑については
100万円(改正前50万円)に、
  源泉所得税不納付犯の罰金刑については
200万円(改正前100万円)に引き上げる等の見直しを行いました。

  (注
2
  直接税・消費税の調査事務で知り得た秘密を漏洩する行為に加え、新たに間接税等(消費税を除く)の調査事務、
  国税犯則事件の調査事務、国税の徴収事務等で知り得た秘密を漏洩する行為が処罰対象に追加されました。

  (注
3
  「直接税」とは、所得税、法人税、相続税、贈与税及び地価税をいい、「間接税等」とは、消費税、酒税、たばこ税、
  たばこ特別税、揮発油税、地方揮発油税、石油ガス税、石油石炭税、航空機燃料税、電源開発促進税及び
  印紙税をいいます。

これらについては、平成
2261日以降にした違反行為について適用されます。

支払項目

作成または保存書類

記載内容

電車賃またはタクシー代

交通費明細書の作成
日報などの作成

・金額   ・交通手段

・どこからどこまで

自動販売機での購入

メモまたは伝票の作成

・金額   ・どこで買ったか
・誰に渡したか

慶弔費

メモまたは伝票の作成
招待状、案内状、礼状等の保存

・金額   ・誰に(住所・氏名)

・内容または目的

領収書がもらえない接待交際費

メモまたは伝票の作成

・金額   ・接待相手(住所・氏名)
・支払先 
  ・接待の目的

領収書を紛失した場合

メモまたは伝票の作成
支払がわかる関係書類の保存

・金額   ・支払先
・内容または明細


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