羽の情報便58   来年度の税制改正大綱

来年度の税制改正大綱が発表されました。内容が多岐に渡るため詳細部分についての記載は省略しますが、多くの会社や個人に影響する事項を簡潔にご紹介いたします。

1.法人税の税率の引下げ

国際競争力の強化や雇用促進の観点から、法人税の税率は30%から25.5%に引き下げ、さらに中小企業の軽減税率(課税所得400万円以下の部分)は18%から15%へと引き下げることとしています。
利益の出ている企業にとっては税負担が減少するため朗報です。

2.欠損金の繰越控除制度の見直し

黒字法人の税率引下げの代わりに課税ベースの拡大を図るために、資本金1億円超の大企業について欠損金の繰越控除が欠損金控除前課税所得の80%までに制限することとされています。

中小企業については適用対象外とされており、現行通り100%の欠損金の繰越控除が認められることとされています。

また、控除対象の縮小に合わせて平成21年4月1日以降に終了する事業年度で発生した欠損金の繰越控除対象期間が現行の7年から9年に延長されています。

3.相続税の基礎控除額の引下げ

現行制度では基礎控除として5,000万円+法定相続人の人数×1,000万円の控除が認められていますが、これを3,000万円+法定相続人の人数×600万円に引き下げることとしています。

相続人が子2人の場合にはこれまで、7,000万円超の相続財産がない場合には相続税が課税されませんが、改正後は4,200万円超の相続財産がある場合に相続税の課税対象となります。

現状、相続税の課税が亡くなられた方の4%程度に限られており、富の再分配機能をより働かせるために負担ベースの拡大を図ったものです。この他、高額所得者や高額所得役員の所得控除額の縮小、成年扶養控除の縮小等が盛り込まれています。

ここまで読んでいただいた方には申し訳ないのですが、1月のねじれ国会の影響を受けて参議院で否決された場合には廃案となりますし、審議により内容が変更されることもありますのでその点ご留意ください。
 

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電車賃またはタクシー代

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メモまたは伝票の作成
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メモまたは伝票の作成

・金額   ・接待相手(住所・氏名)
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  ・接待の目的

領収書を紛失した場合

メモまたは伝票の作成
支払がわかる関係書類の保存

・金額   ・支払先
・内容または明細


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