■給与とは異なる賞与からの源泉徴収
賞与から源泉徴収する税額は、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表を参照して計算します。
まず、賞与を支給する月の前月の給与から社会保険料を差し引いた金額を計算し、これを該当する金額ランクに当てはめ、
同じ段に記載されている率を支給する賞与の金額に乗じた金額が賞与から源泉徴収する税額になります。
ここで注意が必要なのは、賞与の金額でなく、前月の給与額が税額を計算する基になるということです。
■年末調整で修正
従業員に1年間給与を支払ったら、12月最後の支給時に年末調整をしなければなりません。
これは従業員ごとに、1年間の給与の支給額とそこから天引きして徴収した所得税額とを比較して、正しい年税額との間で超過額
があれば本人に還付し、不足額があれば納税する制度です。
ここで注意が必要なのは、源泉徴収税額表に記載されている税額は、あくまでも概算ということです。
例えば、年内に結婚したり、子供が生まれた場合、当然、扶養家族が増える訳で、極端にいうと12月31日時点で扶養人数が
増えれば、その年の1年間、扶養家族分が控除対象になるからです。
従って、毎月徴収していた税額も変ってくるので、それを年末調整で修正します。
逆に12月31日時点で離婚すると扶養家族が一人減ってしまうので、税金を多く取られてしまいます。
離婚するなら翌年の1月1日以降をお奨めします。
■徴収した税金は翌月納付
源泉徴収額は、その月に徴収した分は、翌月10日までに税務署に納付しなければなりません。
その納付書は、税務署に準備されている「徴収高計算書」という用紙になります。支給した給与等の額や源泉徴収した
所得税額等を記入して、税務署か指定金融機関に納めます。
但し、従業員数が10人未満の事業所においては、税務署に届出をすれば、1月から6月までの分をまとめて7月10日まで、
7月から12月までの分をまとめて翌年1月10日までに納付するという方式を選択することもできます。
支払項目
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作成または保存書類
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記載内容
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電車賃またはタクシー代
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交通費明細書の作成
日報などの作成
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・金額 ・交通手段
・どこからどこまで
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自動販売機での購入
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メモまたは伝票の作成
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・金額 ・どこで買ったか
・誰に渡したか
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慶弔費
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メモまたは伝票の作成
招待状、案内状、礼状等の保存
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・金額 ・誰に(住所・氏名)
・内容または目的
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領収書がもらえない接待交際費
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メモまたは伝票の作成
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・金額 ・接待相手(住所・氏名)
・支払先
・接待の目的
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領収書を紛失した場合
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メモまたは伝票の作成
支払がわかる関係書類の保存
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・金額 ・支払先
・内容または明細
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